【美術展】『特別展「ポンペイ」』京セラ美術館

京都市京セラ美術館で開催されている、ポンペイ展へ行ってきました。

ポンペイ展

紀元後79年、ヴェスヴィオ山の噴火により火山灰の下に埋もれたポンペイ。日本では縄文時代。年号からイメージする生活よりもはるかに発展した町だったようです。

展示内容について

2000年前の生活がそのまま残っている、貴重な資料でもあり、優れた美術品でもあります。モザイク画が流行りだったようで、トロイア戦争を描いた大きな壁画から、パンのような日常を描いた小さな作品まで展示されています。以下は全てモザイク画です。

『パックス(ディオニソス)とヴェスヴィオ火山』は噴火前のヴェスヴィオ山を描いたもの。元はとがった山だったのですね。今は山頂が吹き飛んで形が変わっていることが分かります。神秘的な雰囲気が、ギュスターヴ・モローっぽいなと思いました。

一番気に入ったのは『ネコとカモ』。食料庫のカモを狙う猫のモザイク画です。猫の毛並みやカモの羽毛までもモザイクで細かく表現しています。豊かな生活と、すでに猫と共に暮らしていたんだなと言うことが分かります。

『猛犬注意』も目を引きました。猛犬と言う割には人懐こそうな、ユーモラスな姿。現代日本で見る犬とは犬種が違うようです。ポンペイではイタリアン・グレーハウンドの化石が見つかっているそうなので、近い種類の犬でしょうか。

京都市京セラ美術館

最初名前を見ても場所がイメージできませんでした。調べてみたら、京都市美術館が名前を変えたとのこと。

行ってみてさらにびっくり。入口が地下になっていました。近代的な雰囲気になったなと思いながら中に入ると、入れ子のように以前の建物がそのまま入っているのです。改修したと知り、あのクラシカルな雰囲気が無くなってしまうのではと心配したのですが、ちゃんと残っていて嬉しかったです。

焦げたパンのクッション

ポンペイ展を知ったきっかけは攻めたグッズが販売されているとの噂でした。それは『焦げたパンのクッション』。火山により焦げ、そのまま化石になったパンをクッションにしたものです。かなり欲しかったのですが、電車で抱えて持ち帰る? と考えるとためらってしまい、諦めました。触り心地もふわふわで、中々良いものでしたよ。カバーが取り外しできないのが惜しい。

猛犬注意のぬいぐるみもかわいかったです。立体の再現度が高い。あとは柱抱き枕もあり、需要があるのだなとちょっと不思議な気分に。

感想

当時の生活の質の高さがうかがえる貴重な資料として、美術品として、観て良かったなと思います。

そして同時代である日本の縄文時代、私がイメージするよりもっと文明は進んでいたのでは? と気がつきました。せいぜい火が使える程度の原始的な生活だと思っていたのですが、土器の装飾性の高さから、もっと文化的だったのかもしれません。昔の教科書で知識が止まっているので、最新の研究を調べてみたいですね。一つのことをきっかけに、他に知りたいことが出来るのは楽しいです。

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