舞台『キングダム』 梅田芸術劇場

『キングダム』観てきました。実は原作も映画版も全く知らず、秦の始皇帝の話だというだけの前情報で挑みました。結果、作中で驚くことが多くとても楽しめたので良かったです。

キャスト

信は三浦宏規さん。復讐に燃える泥臭い役。ミュージカル『テニスの王子様』の映像を観て、踊りがきれいだなと印象に残っています。なのでギャップに驚きました。とにかく動く動く。そして熱が伝わる演技でした。

嬴政/漂は牧島輝さん。一人二役なのを知らず、主人公の親友、漂があっさり死んでしまってびっくりしました。政として出てきて二重に驚き。信と同じ目線で混乱しました。回想シーンでは漂として語ることもありますが、今どちらの役かはっきり分かる演じ分けが素晴らしかったです。漂の時は少年らしい、やや高い声。政の時は低い、圧のある声でした。

河了貂は華優希さん。華さんは宝塚のトップ娘役時代に拝見して、とにかくかわいい! そして演技がいい印象。その時のイメージにプラスしてより表現力が増しているように思えました。低い声が出るのも意外。応援したくなるような元気で愛嬌のあるキャラクターですね。

楊端和は美弥るりかさん。いつも美しい美弥さんですが、今回は2次元ですか? と言いたくなるビジュアルの完成度の高さ。そして山の王としての風格や、戦士としての強さが立っているだけで伝わってきました。殺陣は先日のクラウディア から続きますね。二刀流なのも一緒。大きく反って剣を振るうシーンがかっこよかったです。

壁は有澤樟太郎さん。おぼっちゃんらしい人の良さと、武人としてのプライドがはっきり分かる演技。キャラクターのせいなのか役者さんがそうなのか、いい人っぽいなという印象。

成蟜は神里優希さん。漂が死んだのもこいつのせい。最低なやつなんですよ。役者さんまで嫌いになりそうです。そう、そこまで嫌な役を演じきるってすごいなって感心してしまいます。

左慈は早乙女友貴さん。立ってるだけで強い。これは勝てない圧倒的な力。それでも主人公チームの結束力には負けてしまうのですが。殺陣に迫力がありました。

バジオウ役は元木聖也さん。ほぼずっと仮面をつけていますが、身体能力の高さで目立つ。序盤に出てくる朱凶もこの方かな。こちらは少年漫画でイメージする暗殺者そのもの。2.5次元ってこんな感じ? なんて思いました。

王騎は山口祐一郎さん。最強のいかつい人物かと思いきや、色物枠? と混乱する謎の口調。何を考えてるかさっぱり分からないトリックスター。浮いてしまいそうな難しい役なのに、貫禄を持って説得されてしまいます。結構分厚い肉布団を着けておられましたが、それを差し引いても大きい。迫力を感じました。余りにも予想外のキャラクターだったので、アニメ版を先ほど確認したのですが、王騎そのものでした。100%どころか、120%王騎だなって納得するぐらいに。

感想

ストーリーを知らずに観に行ったので、理解できるか心配でしたが、全く問題ありませんでした。ライブのようなライティング、効果的な暗転など演出も楽しかったです。全体的にアニメっぽさを感じました。特にラストシーンはそのままオープニンングに使えそうな感じ。そう、これからなんですよ。ぜひ続編を作って欲しいです。

そのラストシーンは漂に2敗負け越してる信が、代わりに政に試合を申し込むというもの。高く跳んで剣が合わさったところで暗転です。二人の身体能力がすごい。

好きなシーンは得体の知れない山の王が仮面を取るシーン。おっさんと呼ばれてた(信が勝手に呼んでるだけですが)のに、美しい人が出てくるもので、見入ってしまいます。

あと弓で囲まれピンチのシーン。山の民が何処からともなく現れて弓兵をサクッと倒してしまうのは滾る展開です。

子役のお二人。信役の升谷天さんはカーテンコールでニコニコしていたのが印象的。漂役の古澤利空さんは最初アテレコ? と思うぐらいセリフがしっかりしていました。お名前が分からずなのが残念。

特に戦闘シーンはあちこちでストーリーが進み、目が足りない状態。効果音が最低限しか使われていないので、どれが決定打だったかが分かりにくのが残念でした。

それ以外は大満足。話の続きも、史実もどちらも知りたくなりました。

初日カーテンコール

三浦さん:客席との掛け合いで「キングダ」「ムー」というのを流行らせたいらしい。流行っている体で話していますが、演者さん達が笑っているので流行っていないようです。微笑ましい。

牧島さん:紫夏に泣きながらすがりつくシーンについて。涙や鼻水が出て衣装につけてしまい、演者の朴さんに謝った流れで「美弥さんが、『あなたの鼻水はスワロフスキーだから大丈夫よ』とフォローしたと暴露。美弥さんと朴さんがめちゃくちゃ笑ってて、とても楽しそうなカンパニーです。

山口さん:「子供や孫に囲まれて」と笑いを取る。2020年からシーンとした劇場だったのに、今日はざわめきが聞こえて嬉しかった旨の発言。

三浦さんも同じことをおっしゃっていおり、それだけ観客の期待度が高い舞台だったんだなあと改めて思いました。

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