作・演出は小林香さん。兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで観劇しました。
あらすじ
円山朱里はLA在住のゲームクリエイター。祖母・阿弥莉に呼ばれ、一時帰国する。そして曽祖母の代から続く「THE PARLOR」を閉めると告げられる。
キャスト
円山朱里役の美弥るりかさん目当てで観劇しました。ミュージカルの主役がゲームクリエイター? と不思議でしたが、浮世離れした、でも自分自身の世界がしっかりあるキャラクターとして説得力がありました。
花乃まりあさんは朱里の母・千里/妹・灯の二役。髪型や服装の違いだけでなく、話かたや佇まいからも今どちらの役なのか分かる演じ分けを工夫されていました。特に千里の時の明るく快活な性格はご本人の性質に寄るものかしらと想像します。後、喫茶室を切り盛りする様子などは普段から生活を大事にされている方なのではと感じました。役者さんは生活感を感じさせない方が多いので、親近感が湧きます。
阿弥莉役の剣幸さんは舞台上にいらっしゃるだけで存在感があります。彼女が歌うと内容関係なく泣けてきてしまう、それぐらい圧倒されました。
主婦アリス役の北川理恵さんの力強い歌声が印象的でした。
感想
全体的にプロジェクションマッピングを使い、ゲームの作成途中、そしてメタバースの世界を体験でき、初めての感覚が楽しかったです。
「THE PARLOR」の舞台セットは細かく作り込んでいて、温かみがあり、本当に店にいるような気持ちになります。
内容はジェンダーやマイノリティーの問題に踏み込んだデリケートなものでしたが、決して茶化したり誰かを傷つける内容ではないので安心して見られました。
ピンクは女の子の色、髪を切ることが解放など、ややステレオタイプが過ぎるのでは? という印象もありましたが、短い時間で細かく説明することも難しいので、こんなものかなと納得。
朱里のパートナーは思い込みがあるとびっくりするかもしれませんね。わざと誤認させようとして不自然だったのでちょっとそこは気になりました。
アレクサンダー・セージ・オーエンさんの音楽が素晴らしく、内容の引っかかりもどうでもいいやと思うぐらい、頭ではなく心で感じられる舞台でした。
作中に出てくるゲームのモデルはモノポリーですよね。懐かしい。
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