【本】オードリー・ヘップバーン物語/バリー・パリス

オードリー・ヘップバーンが好きです。映画の出演作はもちろんですが、私が興味を持っているのは晩年の美しさ。どんな人だったのだろうかと気になって伝記を読みました。

オードリー・ヘップバーン物語

集英社文庫から上下巻に分かれて出版されています。残念ながら現在は在庫がないようですが、古書店や図書館で手に入るかと思います。

人気女優ということで生前はセンセーショナルに扱われることが多かったオードリー。この本に真実が書いてあるとは言いません。でも誠実に一人の女性の人生に向き合ったことは伝わってきます。

上巻

オランダで過ごした子ども時代、戦時中の話、そしてデビューから人生の前半を描いています。

下巻

有名女優として、妻として、母として。様々な面のオードリーが描かれています。そして晩年に過ごしたスイスと、パートナー、最期の時について。

感想

バレリーナを夢見ていたけど、戦争で叶わなかったこと。女優として人気が出るのは早かったけれど、何もかも思い通りというわけではなかったこと。両親との関係。2度の結婚と離婚。

苦労が多い人だなと思いました。でも苦悩の過程があの晩年の美しさの源なんだろうとも。

歌に関してはコンプレックスがあったらしいのには驚きました。歌手のように上手というわけではありませんが、味のある歌声ですよね。何度も歌のシーンを差し替えられたこと、それに抗議していたことは初めて知りました。

ユニセフの特別大使だった理由についても描かれています。戦時中ユニセフに救われたからこと、広告塔としての自分の価値に自覚的だったこと。本当に熱心に活動されていたのですね。

私が一番楽しく読んだのは晩年のスイスでの生活。2度の離婚やパートナーへの影響を考えて、結婚はしなかったこと。子どもたちを大切にしていたこと。何よりも家庭生活を愛していたこと。

望めば派手で華やかな生活はいくらでも手に入った世紀の大女優が望んだのは、田舎町の慎ましやかな生活であること。とても興味深いです。

本当の幸せに向き合ってきた人、そして聡明な人なのだなという印象を受けました。

上巻を読んだのが結構前なので、また読み返したら違う発見があるかも。手元に置いて何度も読みたい本です。

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