中島らもさん原作、『こどもの一生』を観てきました。会場はCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホール。
あらすじ
ストレスを抱える人たちのため、無人島にある施設で行われる画期的な治療法。それは子どもになりきりストレスを解放するというもの。
無人島でのルールは3つ。
- 大人の時の力関係を持ち込まない
- 洞窟には行かない
- 島の反対側にある灯台へは近づかない
前半は子どもならではの理不尽さでコミカルなシーンが続きます。島で取れる珍しいキノコはとても美味しくて、取り合いになるくらい。
しかし子どもたちがごっこ遊びで作り出した「山田のおじさん」が灯台の方からやってきて話は急展開。最初は優しそうに思えた「山田のおじさん」なのだけれど、彼には「おへそ」が無い???
子どもたちは洞窟に逃げ出すも、そこにはキノコが一面に生えていた。そして追ってくる「山田のおじさん」。
コメディーホラーです。
キャスト
主演はSexy Zoneの松島聡さん。デビュー当時のまだ若い印象が強かったので、時が経つのは早いなあと思いました。
朝夏まなとさん目当ての観劇です。何度見ても手足が長い! と驚きます。
彼女は看護師長、井手役。いつも「いいのよー」と許してくれる優しい看護師さんかと思いきや、冒頭で見せる子ども時代の(性悪な)エピソードや、キノコは食べた方がいいと言う時の、ほんの一瞬の真顔など、何か腹に一物あるのでは? と思わせる演技がホラー感を引き立てていました。
「山田のおじさん」役のROLLYさん。すかんちの曲を聴いていたので、まさか生でお会いできる日が来るとはと驚きました。普段のメイクとは違って、どこにでもいそうで、でも不安にさせるおじさんになりきっていました。そして口癖の「よろしいですかー」が迫力もあり、めちゃくちゃこわい。
感想
大人が全力で子どもを演じる。これは舞台ならではの作品だと感じました。テレビでアップが映ると現実に戻されてしまいますからね。
背景のプロジェクションマッピングも刺激が強くて恐怖を感じさせます。ただし端の方の席だと少し見難くいです。
島のスタッフ役はセリフなどは無いのですが、登場人物の心理を表すダンスは不気味で、存在感がありました。
実はホラーだと知らずに見ていたので、何かオチか解説があるものだと思っていて、突然終わったのでおどろきました。
「山田のおじさん」の正体は何となく想像がつくものの、それだけでは説明がつかない! だからホラーなのですね。「よろしいですかー」といつか聞こえてきそうでこわいです。
時代ごとに内容を変えて何度も再演されているらしく、次キャストが変わったとしてもまた観たいと思いました。
小説版はこちら。
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